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起業後に必要となる社会保険

起業後に必要となる社会保険

1.社会保険の違いついて、2.法人設立後の手続、3.従業員を採用した後の手続、4.就業規則の作成および届出についての4本立てでご紹介します。

個人事業を開業された方、会社を設立された起業家の方は、
ご自身又は従業員の社会保険についてわからないことが多いのではないでしょうか。
ここでは、起業後に必要となる社会保険についてのご説明をさせていただきます。


1.社会保険の違いついて

一般的に会社に勤めていない方(自営業者など)は、扶養に入っている場合を除いて、国民健康保険と国民年金に加入されていると思います。

しかし、法人は社会保険(健康保険・厚生年金)が強制適用されますので、法人の代表取締役になった場合、国民健康保険・国民年金から、協会けんぽが管掌する健康保険・厚生年金保険へ切り替えが必要になります。

以下ではそれぞれの違いについてご説明いたします。(設立時は代表取締役のみで、その後従業員を雇用した場合を想定して記載しています。)

説明 事業形態

管轄

国民健康保険 全国の市町村が保険者の健康保険制度です。自営業の方や、パートやアルバイトで会社の健康保険の適用対象にならず、医療保険制度に加入していないすべての人が加入対象となります。加入者の病気やケガ、出産や死亡に対して必要な保険給付が行われます。 個人事業 市町村
国民年金 国民年金は、日本国内に居住している20歳以上60歳未満の人は全員加入が義務付けられている公的年金制度です。被保険者として保険料を納めた期間、さらに保険料の免除や猶予をされた期間が合わせて10年以上あれば、その期間と保険料納付状況によって算定された老齢基礎年金が、原則65歳から受け取ることができます。 個人事業 市町村
健康保険 全国健康保険協会が管掌する健康保険制度です。法人会社は原則としてこの保険制度への加入が義務付けられています。従業員(代表取締役も含む)やその扶養家族の業務災害以外の病気やケガ、または出産や死亡に対して必要な保険給付が行われます。 法人 全国健康保険協会(協会けんぽ)
厚生年金 厚生年金保険は、国民年金保険に上乗せして給付される年金制度で、法人会社はすべて強制適用となります。厚生年金への加入期間が1ヵ月でもあれば、その加入期間と納付保険料額によって、65歳以降に受け取る老齢基礎年金に老齢厚生年金部分が上乗せされた年金額を受給することができます。 法人 全国健康保険協会(協会けんぽ)

 

個人事業主は、会社の健康保健や厚生年金に加入できないため、市町村が管轄する国民健康保険と国民年金への加入が義務付けられています。

一方で、法人は、健康保険(全国健康保険協会管掌)と厚生年金保険が強制適用となります。法人会社を設立し、代表取締役の報酬が支給され始めると、事業所としての新規適用と代表取締役の資格取得手続きが必要になります。


2.法人設立後の手続

【社会保険(健康保険と厚生年金保険)の適用手続】

法人会社を設立した場合、まずは法人が健康保険・厚生年金保険の適用事業所になるための手続が必要です。

手続きは会社の所在地を管轄する年金機構でまとめて行いますので、必要書類を準備して年金機構に提出します。社会保険の新規適用は、手続きが完了するまでに3週間程度かかります。保険証の発行も新規適用の場合は同じぐらいかかる事が多いので、手続き書類は設立後早く提出するようにしましょう。

社会保険の新規適用日以降、従前の保険証は使えなくなります。適用日以降、新しい保険証が届くまでの期間、もし病院にかかる事がある場合は、その医療機関で現在保険証を申請中である旨を伝えてください。医療機関によっては次回保険証を見せてもらうという約束で保険を適用してくれるところと、一旦全額を負担し、次回保険証を見せることで保険適用分を返してくれるところがあります。医療機関によって対応が異なりますので、その都度確認が必要です。従前の保険証は使わないように気を付けましょう。

 

【社会保険の加入手続】(下記従業員採用時も同様)

社会保険(健康保険と厚生年金保険)は、役員が報酬を受け取る場合、あるいは一般的に以下の条件に当てはまる70歳未満の従業員を雇用した場合、加入の手続きが必要です。上記の事業所の新規適用の手続きでも少し述べましたが、健康保険は全国健康保険協会(協会けんぽ)、厚生年金は日本年金機構が管掌していますが、健康保険の給付の手続き以外は日本年金機構が窓口となって手続きが行われますので、資格取得の手続きは事業所を管轄する年金機構に提出します。

<社会保険の加入条件>

①常時雇用(フルタイム)の場合

②パート、アルバイトであっても、1週の所定労働時間と1か月の所定労働日数が、①の常時雇用者の4分の3以上の場合(ただし、“日雇い”や“2か月以内の期間を定めた雇用”など、特定の条件に当てはまる場合は加入対象にはなりません。)

 

【国民健康保険、国民年金の喪失手続】

国民健康保険の喪失手続きは、社会保険の健康保険証が手元に届いてからの手続きになります。(社会保険の保険証は、新規適用した際に記入した会社の住所宛で届きます。)

新しい保険証が届いたら、それを持って市区町村の国民健康保険の窓口に行き、喪失の手続きを行います。この手続きを行わないと保険証が2枚手元にあり、2つの健康保険制度に加入している状態になりますので、必ず喪失の手続きを忘れないようにしましょう。通常この喪失手続は、法人ではなく加入者ご自身が行います。

なお、国民年金から厚生年金への切替は、厚生年金への加入で自動的に切り替わりますので、ご自身で国民年金喪失の手続きをする必要はありません。


3.従業員を採用した後の手続

設立後に従業員を採用した場合、上記の社会保険の加入に加えて「労災保険」「雇用保険」の手続きが必要になります。これら2つの保険を合わせて「労働保険」と呼ばれています。

 

【労災保険の加入手続】

労災保険は、従業員が勤務時間中にケガをしたり、通勤途中に事故に合った場合等に、その治療費や休業によって給与を受けられない期間の生活を補償する為の制度です。労災保険は、どんな雇用形態(パート、アルバイトなど全て含む)かに関わらず、従業員を1人でも雇用した場合には、加入手続きが必要です。加入の手続きは、事業所の所在地を管轄する労働基準監督署で行います。(農林水産業や建築業など一部の業種に限り、ハローワークで行う場合があります。)

労災保険は事業所単位で加入するので、支店が複数ある場合には、その事業所ごとに保険の加入が必要になります。

 

【雇用保険の加入手続】

雇用保険は、従業員が失業した場合や、“育児”や“介護”など雇用の継続が困難となる事由が発生した場合に、必要な給付を行う為の制度です。原則として、以下の全ての条件に当てはまる従業員を雇用した場合には、保険の加入手続きが必要です。加入の手続きは事業所所在地を管轄するハローワークで行います。

<雇用保険の加入条件>

①1週間の所定労働時間が20時間以上

②継続して31日以上の雇用見込みがある

③昼間学生ではない人(ただし、卒業予定者で今後も引き続き雇用が決まっている場合や、休学中の場合、定時制や夜間の学校に通っている場合は雇用保険の対象となります)

 

全ての保険に関して、加入対象者に該当した場合、保険の加入は義務です。本人の希望によって加入の有無を決定できるものではありませんので、ご注意ください。


4.就業規則の作成および届出について

【就業規則】

常時10人以上の労働者を使用している場合は、就業規則の作成と労働基準監督署への届け出が義務付けられています。「常時」とは、正社員・パート・アルバイトなどの雇用形態にかかわらず、常態として10人以上の場合はすべて対象となります。

また、この作成と届出の義務は企業単位ではなく、各事業場単位になりますので、複数の拠点がある場合は、その拠点ごとに10人以上かどうかを判断してそれぞれ提出する必要があります。10人未満の場合は、義務はありませんが、作成して労働基準監督署に届出ることは可能です。

 

【時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)】

労働基準法に定める労働時間の原則は1日8時間、1週40時間と定められているので、原則この時間を上回って労働させることはできません。しかし、労働者に時間外労働や休日労働をさせる可能性がある場合には、労働基準監督署に「時間外労働・休日労働に関する協定届」(36協定)を提出することで、協定の範囲内で時間外労働・休日労働をさせることが可能になります。

近年、時間外労働に関してはとても厳しくなっており、36協定の提出について労働基準監督署の調査も多くなってきています。従業員を雇用した場合には、必ずこの協定届を提出するようにしましょう。


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