2.112020
商売の解釈と利他の他は誰か?〜原理原則を思考〜

商売って何か。
ビジネスって何でしょうか。
皆さんは、ビジネスという言葉を聞くと、どんなイメージを持つでしょうか。
若い人に聞くと、ビジネス=「お金が発生する」というイメージがあるらしい。
これはいわゆる「ビジネスライク」的な言葉が影響しているのか、あまりいいイメージではなさそう。
そこに人情や感情がなく、なんか悲しいです。
私は、ビジネスというより、「商売」という言葉の方が好きです。
なんとなく、人との繋がりのイメージが想起されるから。
商売の定義については、広辞苑とか大辞林などに載っている内容で間違っていないと思うし、それに関して触れるつもりはない。
私が言いたいのは、その解釈と、商売をする人間の気持ちです。
ここでは、私なりの「商売」についての解釈を、自分のこれまでの人生に重ね合わせ、言葉にしていきたいと思います。
1.「商売」の解釈
1-1.商売とは
私は、「商売とは高尚な行い」と解釈している。
なぜなら、商売やっていると自分のやっていることの価値がわかるから。
価値がないことには、そもそも利益(報酬)が生まれないので、利益があるということは価値があることをやっているということがわかるのだ。
商売は、世の中を良くするためにあるべきであって、世の中に貢献した対価として利益(報酬)が生まれるのだと思う。
勘違いしてはいけないのは、その利益は私欲の為に使うのではなく、さらに世の中の良くするために利益を再投資する必要があるということだ。
とはいえ、遊びも必要だから、まずは自分の事業の課題をつぶすことに投資して、残りはちょっとくらい好きに使っていい。
1-2.私の場合
私は自分で商売を始めて6年目になるけど、商売を続けていると大事なことがわかってくる。
今では当たり前のことを言うけど、利他の本質。
言葉だけ知っていても、実体験がなければ利他の意味を腹落ちさせるのは難しい。
実際、私は商売を通じて成長してきたと思う。
最初の頃は一人でやっていたから、一人でできる範囲の小さい問題解決の仕事から始まった。
しかし、私のやりたいことは一人ではできないから、社員や外部の協力者など周囲の力を借りてやっていく。
そうやっていると、ありがたいことに、人との繋がりが自然と増えてくる。
相手に喜んでもらうことが仕事の本質だから、そうやって喜んでくれた人達から感謝されて、さらにやりがいを感じる。
事務所力も徐々に上がってきたと思う。
実像よりも大きく見せたいわけではないので徐々にではあるが、社員と向き合いながら、自分の成長の分少しずつ事務所力も上がってくるのかなと思いながら。
でもまだまだ足りてないことが多いからもっと成長しようってなる。
もちろん大変な時期もあったけど、それでも自分の利益よりも先に相手に喜んでもらう(問題を解決する)スタンスを崩さず、ずっとやってきた。
喜ぶだけ喜んでさっと消えていく人達もいたから、これはある意味、精神的な修行に近いものがあった。
それでも、いいんです。喜んでもらえたから。
1-3.解釈のまとめ
私が改めて思うのは、
商売というのはその商売を通じて、
小さな成功体験を積み重ねていくことで、
それが自信になって経験とスキルが成長して、
もっとやりたいことが見えるようになってさらに頑張って、さらに精神的にも成長ができること。
圧倒的な結果を出しても謙虚であり続け、
いろんなご縁に恵まれながら、
自分の力だと過信せずに感謝し続けることだと思う。
この一連の行為ってめちゃくちゃ高尚じゃない?
そう思う。
私は生涯現役でいたいので、もっと最前線を走り続けるけど、おそらく私は先輩としてこれから世に出てくる後輩の挑戦を支え、そしてさらに世の中が発展するという流れが生まれるのかなとも思う。
私は、そういう未来も楽しみにしている。
2.利他の他は誰を指すか

2-1.相手を喜ばせること
商売について、お話しするうえで、もう一つ忘れてはいけないことがある。
歴史を学ばれてる多くの方はご存知の通り、江戸時代にはお金儲けを悪とする風潮があり、結果、商売は卑しいものだと言われていたときもあったらしい。
それを変えたのが渋沢栄一氏。
渋沢栄一氏は、500社以上の会社の創業に関与し日本の近代資本主義の父とされる人物で、2024年から新紙幣1万円札に選ばれたが、私が好きなのは『論語と算盤』。
そこでは、金銭に批判的な思想を疑い、道徳と経済の両方が均衡することの重要性が書かれている。
つまり、道義を伴った利益を追求し、自分より他人を優先して公益を第一にして、お金儲けをすることと、世の中に尽くすことを両立しなさい、ということだ。(『論語と算盤』については後日書きます)
また、松下幸之助氏は「商売とは感動させること」、稲盛和夫氏は「お客様の尊敬を得ること」だとおっしゃっている。
これは主語がお客様目線で大変ありがたい言葉であり、商売の極意であると思う。
私の周りのいい経営者達は、皆さんこれらのことを当たり前のように知っていて実践できていて、共通認識になっている。
だから、いつもお互いに気持ち良く仕事ができています。
ありがとうございます。
前半では、商売は相手を喜ばせることというお話をしてきた。
それは、相手が負けてこっちが勝つ関係は絶対に長く続かないからだ。
これは会社の内側にも同じことが言える。
2-2.自分の周りを大切に
どれだけいい理念を振りかざしていても、世の中の為と言ってても、
その商売を支える社員、仲間、自分の家族が泣くようなことしてたら、絶対にその理念は達成できない。
応援してくれる人がいなくなるから。
だから、会社の外側だけを見ていてはいけないのだ。
ちゃんと、自分を支えてくれる社員、仲間、家族をハッピーにしながら、商売を通じて自分自身を成長させていきたい。
となると、商売というのは、自分にとって本当にありがたいことであるし、それを続けられることが幸せである。
2-3.全員が商売人の心を
会社を経営しているとか関係なく、世の中のみんなが商売をしていると思って欲しい。
会社に勤めている人も商売人だ。
その会社を通じて、会社内外の人に喜んでもらえる仕事をしているはずだから。
部下や後輩をハッピーにしながら、自分を成長させていきたい。
私は偉そうなことを言えるほど人生経験は長くないけど、この解釈はみんなに知っていただきたい。
既に、腹落ちしている人は仕事でも圧倒的な成果を出している人に違いない。
以上、
現時点の所見として商売について書きましたが、私も日々成長中です。
出来るビジネスマンではなく、人の気持ちのわかる商売人でありたい!
と思います。
ご覧いただきありがとうございました! KOIBUCHI